亀裂

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学校に辿り着くと、俺は商業科の一年のクラスへ向かった。  丁度昼休みだったから、その目的の相手はすぐに見つかった。  教室の扉から目的の人物を呼ぶ。 「乃蒼ちゃん。ちょっといい?」 「あ……いっちゃんのお兄さん……ど、どうかしたんですか……?」 「ここじゃあなんだから、屋上借りたからさ、今から屋上良い?」 「え、あの、私、これからお昼約束していて……」  乃蒼ちゃんは弁当箱を手にしていて、恐らくあの男とこれから食事だと言いだした。  俺はそれにむかっ腹が立った。  だから無理矢理手を引いて、 「そんなのいつでも出来るだろ? 聞きたいことがあるんだ」 「ちょ、あのっ!」  それでも拒む乃蒼ちゃん。  それに苛立って、 「良いから付いて来いって言ってんだよ!」  思いっきり手を引いて、強引に屋上へ連れて行った。
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