ピリオドとスタート

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「お、おいっ!」 「なんか朝から見せつけてくれるね~、兄貴!」 「だーかーら! 茶化すなっつーの!」 「にしし」  少年っぽいこの顔。 髪を切ってから余計に綺麗な顔立ちが目立ち、本当の男子のように見える。  最後の最後に妹はカッコ良かった。これがあいつのモテる所以であって、あいつの自信。  俺はまだまだ兄貴としても、男としても、成長途中だから、妹をちゃんと守りきれないかもしれないけど、妹のことも知れて、玲や千鶴とこんなにも仲良くなれて、これから良い高校生活を過ごせそうだ。  本当に来年までに、俺は良い男にならないとな! 「さー! 今日も勉強頑張りますか!」 「私も久しぶりに勉強頑張ろうっと! ずっと落ち着かなかったし」 「おう、いさみは勉強マジで頑張れよ。成績あんまよくないからなお前」 「うるさいなもう!」 「あはは! 私も頑張るんだよ! わからないとこあったら私が教えてあげるよ!」  千鶴が妹の腕に絡んで言う。 「僕も先輩に負けないくらい頑張ります!」 「いや、玲は俺より絶対良いだろう……」  言って俺たちは青春の学び舎に仲良く向かった。  秋の朝は清々しい。俺の心も爽やかだった。 もう強がりの妹が独りにならないよう、ずっと傍にいよう。  俺たちの未来も淡い恋も、まだまだ始まったばかりだ。 <完>
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