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「しやわせ」の顔を閉じ込めて数年。 一人の男性に出会った。 出会いは友人に誘われた、所謂合コンというものだったけれど、 友人たちの話を心の底から面白いと言った顔で笑い、 お酒やご飯をとても美味しそうな顔で食べている姿を見て、 「ああ、傍から見た“しやわせ”って、こういう姿なのかも」とぼんやり思った。 彼は彼で、表情の殆ど変わらない私のことが気になったらしく、お開きになった後で連絡先を聞かれた。 軽やかに次に会う約束まで取り付けられ、あれよあれよという間に数回デートを重ねた。 行く先はお決まりのような映画や食事だったけれど、不思議なくらいに彼と私は好みが合った。 ある日、彼がオススメだと連れて行ってくれたカレー屋のキーマカレーを食べた瞬間、 「んんっ、しやわせ~!」と声が漏れた。 そう言った自分にビックリして横を見ると、 彼は「そういう顔が見たかったんだ」と言って“にたっ”と笑った。
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