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彼と過ごした時間は、「しやわせ」だった。 でも、私が本当に、心の底から求めていた「しやわせ」は、埋められなかった。 彼と付き合い、月日が経つ事に、周囲は段々と結婚し、子供を持つ人が増えていく。 彼は、“結婚”ということを嫌がっていた。 「紙切れ1枚にどうして縛られなきゃいけない?」 「そんな契約がなくても、“家族”として過ごしている人は沢山いる」 確かにそうかもしれない。 でも、私が本当に欲しい「しやわせ」は、その紙切れの中にこそ、あるのだ。 それに気付いてしまってからは、もう、彼とは一緒に居られなかった。 意見は平行線のまま折り合いはつかず、 私たちは別れた。
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