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夏希は受付なので、毎日定時の5時半に終業する。 その為、差し入れの時間は遅くても6時。 そこから仕事を終えるまでは飲み物しか口にしてない状態だった。 こんな時間に夜食をとったら体重に還元されるのは確実…とは言え、空腹なのは確かだった。 9月に入ったが、まだ夜になっても蒸し暑さが残っている。 最寄り駅から自宅までの道を歩きながら、美帆はじっとりとした空気に顔をしかめた。 「コンビニで何か買って帰ろうかな…」  ふと、路地の向こうの看板が目に入った。  “おにぎり屋 一粒種”  キャスター式のスタンド看板には灯りが点いている。  ということは、まだ開いてるってことなのかな…??  吸い込まれるように近付いていくと、ドアには『OPEN』と書かれた札が下げられていた。 中は見えなかったが、そんなに大きな店ではなさそうだ。   おにぎりなら夜食にもぴったりだな。。 そう考えて、思いきってドアを開けた。
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