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「食後に温かいほうじ茶はいかがですか?」 店主が大ぶりの湯飲みにたっぷりのほうじ茶を注いでくれた。 香ばしい匂いが鼻をくすぐる。 「こう言っては失礼かもしれませんけど、美味しく食べていただけたようで何よりです」 「あはは、お恥ずかしい…。でも、とっても美味しかったです。このお茶も、とっても良い香りですね」 「あ、嬉しい。私が焙煎したんです、その茶葉」 「えっ、自分で?!」 「そうです。緑茶のお茶葉をフライパンで炒めるだけなんで、簡単なんですよー」 笑いながら話す店主と向かい合って熱いお茶を飲んでいると、 美帆は心の底からリラックスしている自分に気が付いた。 こんな気持ちになるのも久しぶりだ。 空腹も満たされて、気持ちも温かくなった。 良いお店を見つけたな、と思いながら店主に会計を伝える。 「ありがとうございますー。お昼には定食もやってるので、是非またいらしてくださいね」 「えっ、昼間も営業されてるんですか?」 「姉妹で交代でお店に出てるんです。昼間は妹が担当で。 夕方は2人体制でやってますけど、夜もこうしてお夜食がてら来てくれるお客さんがいらっしゃるので 私が担当することにして、営業時間を延ばしたんですよ。これ、ショップカードなので、どうぞ」 なるほど、営業時間は〝11:00~14:30(14:00L.O)、17:00~2:00(1:30L.O)”となっている。 おにぎりだけでこの美味しさなら、お昼の定食のおかずもきっと美味しいはず。。。 「また是非、食べに来ます!」
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