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「斎藤 一です。前職は工場で機械オペレーターをしていました。出身はさいたま市です」
まずは僕が挨拶。
「ハジメちゃん、固いな。みんなタメなんだからさ」
どこにでも、やたらと仕切りたがるヤツがいる。馴れ馴れしく話し掛けてきたのは、ガタイの良いガテン系のあんちゃんだった。
「俺、原田佐之助。古風だろ。茨城県出身。それで、元は運転手。どう、このヘアスタイル。グラナダ侵攻当時の米海兵隊ヘアーだよ。似合う?」
佐之助はミリタリーマニアかも知れない。マリンコヘアーは、てっぺんだけを残して周りを刈り上げていて、なんだか、取り残された孤島みたいに見える。ただ、似合ってはいる。
サノスケに対する評価はなしで、次の人が自己紹介を始める。何故なら、まず、マリンコヘアが解らないし、初対面でもある。
「山南圭介です。京都出身の無職。よろしゅう」
ケイスケは、サノスケとは真逆で、体の厚みが薄く、ちょっと儚いイメージを受けた。
「山崎 進。神戸出身。よろしく」
彼は、色黒で小柄で無口だが、頼りにはなりそうな雰囲気がある。
この先、四人は班として行動する事になる。だから、班長を決めるように言われていた。ただ、互いに初対面で判断基準がないから、ここはシンプルにじゃん拳で決める事になった。その結果、僕が班長になる。さて、吉と出るか? 凶と出るか?
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