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そんなこんなで、僕は今、気分が悪いのを無理して現国の時間に襲い掛かってくる睡魔と戦っている。
現国は所詮、地の読解力の勝負だ。小説を書いている僕からしてみれば、定期試験の国語はお茶の子さいさいといったところだ。よって、必然的に教科書を読んで教師の物語の解説をノートに書きとるだけの授業は、退屈な時間となってしまう。
幸いにも、この学校はスマートフォンを始業前に回収するなどという事はなく、今教鞭をとっている教師はよぼよぼの爺さんで、僕らが授業中何をしていようと淡々と授業を進めていき、成績も定期試験の結果からしか付けない。
だから、僕が今堂々とスマートフォンを取り出してSNSを始めてもお咎めなしというわけだ。
「なにこれ」
ぼそっと呟く。SNSの通知欄に表示されていたリプライの中に気になるものがあった。
『若宮さんの新作読みました!いつの間にか投稿されている小説、その通りに進んでいく現実!続きが気になりますね!』
そのような作品を投稿した覚えはない。その覚えのない訝しみながら、ブラウザアプリのブックマークから小説投稿サイトへと接続して、マイページから自分の小説を確認する。すると、今まで僕が投稿してきた小説の一番上に確かに身に覚えのない小説が投稿されていた。
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