予約投稿:From somewhere far away.

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『I will change.』  全くもって身に覚えがない。  とりあえず投稿されている第一話を読んでみる。 『僕に分からないことだってある。僕にだってどうしようもないことだってある。』  その一文で始まるその小説では、ある日小説投稿をしている少年のアカウントに見に覚えのない小説が投稿される。それはなんでもない高校生の青春ラブコメなのだが、その少年の身の回りでその小説通りのことが起き始める。  そしてそれに主人公が驚き、次の話の予約投稿がされて終わる。 『その現国の教師は、ひとつ大きなくしゃみをしてクラスの全員を驚かせた。』  ふと、その一文に目が留まった。小説投稿に気づいた主人公が、次の日に学校に行った時の一幕だった。 「ぶわぁっくしゅん?」  その瞬間、背筋が凍った。 『先生、驚かさないでよ』 「先生、驚かさないでよ」  小説の中に出てくる前田という女子生徒と一語一句違わない台詞を、現実の前田智子が笑いながら言った。 『あ、ああ。すまんな。最近、花粉症がひどくて』 「あ、ああ。すまんな。最近、花粉症がひどくて」     
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