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俺にとっては……の続き。
それは唇を重ねた時に心に直接聞こえて来た。
「二人はかけがえのない宝物だよ。愛してる……」
胸がキュッと苦しくなって酸素を求めて角度を変えた時、俺の下腹が奥のほうで同じように疼いた。
すぐに唇を離して、そっと下腹を擦ってみる。
「――あ、今……動いた」
「え?まだ見えないくらい小さいのに?」
「ん……。壮登のキス、まだ足りないって」
互いの唇が触れあう距離でクスッと笑い合う。
あの時耳にしたコウノトリの声は嘘じゃなかったみたいだ。
これが幸せの予感――?いやいや、幸せの到来!
俺と壮登、そしてこの子との始まりの瞬間だった。
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