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オレは名の知れた大学に通う、4年生だ。
今は初夏。
人間の嘆きを聞こうともしない太陽がジリジリと肌を焼く。
普段なら贅沢にもクーラーの効いた部屋で教授のくだらない武勇伝を聞いているところだが、今日は違う。
オレら4年生が最も苦しむ難関。
就職試験があるからだ。
正直、働きたくなくて大学に進学したオレはもう逃げ道がなくて死にたいくらいだ。
子供の頃はあんなに社会人とは無縁だったのに気がつけばもう成人してるし、これからは日本の若き柱として社会に貢献していかなければならない。
オレが選んだのは中小企業だ。
子供の頃からやりたい事がなかったオレは進学しても専門的な事は学ばなかったし、資格も取っていない。
だから、免許証とワープロ検定と漢検だけでも入れるところ選んだ。
ここは基礎を学ぶ為の会社にする予定だ。
きっと、3年後には辞めてるだろう。
…まぁ、面接もこれからだし、受かってないから何とも言えないが…。
早めに会社に着いたオレは会社の中に入った。
……受付…霊道通ってるし…。
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