夏模様

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ドォンッという派手な音と共に江戸の夜空に赤い大輪の華が咲く。 「綺麗ですね。土方さん、近藤さん」 子供みたいに無邪気な笑顔を見せてはしゃぐ総司。 「ははっ。良いもんだなぁ、花火は。よし、毎年これは皆で見に来よう!」 俺と総司が世話になっている試衛館の主で、豪快に笑う近藤さん。 沖田総司と近藤勇。そして俺、土方歳三。 後に京へ行き新撰組として活躍する俺達だが、これはまだ何も知らない頃。 ただ田舎の道場で、いつかは幕府の為に剣の腕で身を立てたいと願っていた頃の話だ。
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