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柚葉が好きなんて言えない。 「俺、柚葉のこと好き」 「恥ずかしいやつだな。俺も好きだけど…」 ほら、柚葉の好きと俺の好きは違うから。 俺の好きは “ 愛してる ” の好きで。 ずっとそばにいたくて。 離れたくなくて。 一緒にいろんなことしたくて。 毎日「おはよう」と「おやすみ」を言って。 毎日「ありがとう」と「ごめんなさい」を言って。 毎日「好き」って言って。 手を繋いで。 抱きしめて。 キスをして。 あぁ、幸せがいっぱいだ。 だから…… 「……俺がいなくなったら忘れろよ」 「ほんとに今日唐突だな」 「青春したい気分なんだよ」 「仕方がないからのってやる」 「ありがと」 よかった……声は震えていない。 大丈夫……気づかれてない。 「朱寧がいなくなっても忘れてやらない」 イタズラな笑みを浮かべて、柚葉がいう。 「俺が死んでも?」 きっとこの声は震えている。 「そんな早く死なないだろ朱寧は」 なぁ、柚葉。 俺、死ぬんだよ。 半年前に余命宣告されて、柚葉が好きだって気づいて、今まで一緒に過ごしてきて。 絶対生きてやるんだってどんなに思っていても、治す手段なんかなくて。
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