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──数十日後の夜
楽しいことが待ってると日なんて瞬く間に過ぎて、明日はついに夏祭りの日だった。
また、柚葉との想い出が増える。
それと同時に俺の人生が消える。
あぁ、毎日一緒いられればいいのに。
夜まで一緒にいて、
「おやすみ」
って言って、
朝起きて一番に柚葉の顔を見て
「おはよう」
って言ってもらって。
そしたら……
どんなに幸せなんだろうな。
………なんて考えても叶わないのは知っているけど。
「はぁ……」
死にたくないは言わない。
そんな事言っても死ぬのには変わらないのだから。
それに俺は生きる。
「LINEしよ」
柚葉に明日のことについてLINEを送る。
送れば数分も経たずに返事が返ってきて、嬉しくなる。既読というこの文字がこんなにも嬉しいことなんて知らなかった。
やっと少女漫画の主人公の気持ちが、わかった気がする……なんてな。
「早く寝よ……」
どうせ明日のことが楽しみすぎて寝れないのは確定しているのなら、いっその事早く寝てやる。
明日は一緒に何を話そう。
明日は一緒に何を食べよう。
明日は一緒に何をしよう。
明日は一緒に……
明日は一緒にどのくらいいれるんだろう。
日がすぎるのは辛いことなはずなのに、今日ばかりは明日が来てほしいと思わざるえない。
夏休みは長い。
今まで短いと思っていたのが嘘みたいに長く思う。
「会いたい……」
会いたいよ柚葉。
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