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 帰り支度が終わって教室を出ても、特に気にも留められない。特に秀でた才能もなく容姿に恵まれていない存在は、どこにいたって影なのだ。  倉本が向日葵だとすれば、僕は大きな花のせいで太陽の光を浴びることのできない、小さな雑草というところか。  いつからだったかよく覚えていないが、クラスメイトを三階層で分けるようになっていた。そしていつも僕は、自分を最下層に位置付けている。  別に将来を悲観しているわけではない。自分自身の立ち位置を客観的にみて、うまく立ち回っていこうとしているだけだ。  女の子にモテたいとか目立ちたいとか、そんなことを考えると落ち込むだけ。変な期待は捨て、身の丈に合う生き方をすればいい。  CランクはCランクの人間とだけ付き合っていけばいい。 ――ずっとそう考えていたからこそ、彼女が僕の店を訪れたときの驚きは相当なものだった。
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