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手術を初めてしたのは、
あれは五十二歳の年の暮れだった。
心筋梗塞だった。
今思えば、そんなに大した事ではなかったが、当時は大変なショックと不気味な怖さで気が動転した。
医者は一刻を争うと家族を説得するが当人が事の重大さを分からず家族に承諾するな、俺は帰るなどと叫ぶものだから、周りもホトホトいやになった事だろう。
空元気も、ものの数分、鳴きが入り、先生、お願いします、助けて下さいと涙声… 今考えると笑ってしまう。
あれから十四年近く経つ、大きな手術は四回、手術無しの入院は数回、自分なりに悲惨な人生を送っている。
今は手術は怖くならない様になった。
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