プロローグ

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プロローグ

「かはっ...」 自分の意思とは関係なく口内から出てくる液体。それは僕の血であった。なぜ、僕がこんなことに...?何もしてないでいた。それなのに、どうしてこいつらは僕の、平穏を...邪魔してくるんだ! 鉄臭い匂いが辺りに充満した。腹から...血が...止まらない。そして死が近くなるにつれて僕の意識は掠れていき朧げになる。僕はここまでなのか?突然襲ってきたキモい緑の生物に殺されるのか?いやだ。こんな変な生き物に殺されて喰われるくらいなら...。 っ...舌を噛もうとする。しかし舌は噛み切れなかった。もう力が残っていなかったのだ。もし出来たとしても死ぬ覚悟なんて俺には無かっただろう。 もう、俺には生きる気力もない。俺が何をしたと言うのだろう?ここは地獄だ...。魑魅魍魎の生き物達が、奇声をあげながら全てを喰らい尽くすかの如く人を斬り裂き、破壊し、滅ぼしていく。そこには子供もいるのだろう。泣き声をあげているというのに容赦なく僕が見てる所で大蛇に頭から身体を丸呑みにされる。その蛇の口の中から咲くかのように噴き出したそれはコンクリートを赤く染め上げた。     
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