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濡れた足音が聞こえる。なぜこのような音が聞こえるのか考えようとしたがこの馬鹿な頭ではとても分からなかった。しかし、嫌な予感はしていた。
それは背後から聞こえてくるようになった。後ろを見たくない。見てはいけないような気がしたからである。でも、見てしまった。結果、僕の嫌な予感は的外れなどではなかった。
そいつは人間ではなかった。身体中に鋼色の鎧を着ていて手には槍を持っていた。そして、兜から覗く鱗の肌がそれを証明していた。
瞬間、槍を振りかざして僕に向かって突いてきた。慌ててかわそうとしたが、身体が思うように動かせない。その槍は僕の心臓を狙っていたらしかったが座っていた椅子が倒れて間一髪で外れた。
しかし、攻撃が止むことはなく再び突いてきた。刺されるのを覚悟した所、その痛みはこなかった。でも、赤い液体が床に...?
「うっ...」
「は?あ、あぁぁ?」
僕は気づいたら大声で叫んでいた。とにかくただひたすらに叫んでいた。俺の意識が途切れた。だって、槍によって貫かれた友人がそこにいたのだからー
このあとどうなったのか聞いたところ、店主が警察を呼んでいて来るよりも早く俺の叫び声を聞いた近くにいた警察官がそいつを撃ち殺したらしい。
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