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強い衝撃と共に机が揺れる。前を見れば先生が通り過ぎた所だった。周りからも視線が来る。どうやら僕は寝ていたようだ。ちっ、僕のせいじゃねえよ。全部あんな夜遅くに来やがった秘密警察の所為だ...。
僕はボケている視界で黒板の文字を見た。しかし、文字が良く読めない。遂に僕の頭はぶっ飛んだのだろうか?
その時、僕の六感が警鐘を鳴らした。いや、本当はよく分からない。ただ、離れろ!という命令が脳内に直接来るような。
とにかく、本能的に机の下に隠れた。僕が見た、窓の景色はとても幻想的だった。空に巨大な光があった。紫色で、何もかもを吸い込むんじゃないかという程の魅力があった。でも、あれから離れろと六感が告げる。
(おい、何やってんだ。授業中に寝るのはいつもの事だけど机の下に隠れるなんて今日のお前ちょっとおかしいぞ)
小声で言ったのは、後ろの席にいる寛二郎だった。
(ちょっと窓の外見ろよ!分かんねえのか?)
(はぁ?窓の外?)
窓の方を見る。しかし、何にも見えないぞと言ってくる。訳が分からない。もう一度確認するがやっぱりそこには存在した。五芒星を囲った円。何だよあれ。まるで...
(魔法...?)
刹那、窓ガラスが割れて爆発音が轟く。そして秒もしないうちに爆風が校内を侵した。当たり前のように机の下に隠れただけで助かるわけがなく吹き飛ばされる。
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