彼の想いも世界からはみ出した

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私に起こった出来事…。 それを、非常にシンプルにまとめるならば。 私はお婆ちゃんの田舎で、同じ年の男の子に、偶然という種別の出会いをした。出会った彼に、私は好意を抱いた…平たく言えば、好きになった。 その彼と、昨日、キスをした。 私の国語の能力は、標準だと思うが。 こんな概要。 そこに細かいエピソードや情報、主観を交えると…朝までかかる長電話になっただけで。 よく、それだけ話が出来たと今さらながら感心する。 でも。 どうしても、誰かに聞いて欲しかった。 昂る感情が抑えられないように…。 そのくせに、単刀直入に理路整然と伝えたかと言うと。 全くもって、遠回しな推理ゲームの様なやり取りを暫くしていたのだ。 聞いて欲しい、知って欲しいと思ってるくせに。 羞恥心なのか、知られたくない様な部分もあって。 じゃ、どうしたいのだ?と自分に聞きたい様なまどろっこしさを孕んでいた。 ただ、幸いなのは。 親友・ミキも私と同じ年なわけで。 この手の話は、含んだ言い方でもピンとくるのが乙女というものだ。 彼女にすれば。 私は素敵な出会いをした事になり、非常に喜んでくれた。 そして、羨ましい…と。 確かに、間違いではないけれど。 当事者になると、そんな簡単なくくりで終われない。 【好きな人が出来た♪】 【ワーイ、嬉しい♪】 なんて、話ではすまなかったから。 間違いではないけれど、それはそれで正解な部分ではあるけれど。 ウキウキする明るく・楽しい気持ちと同じくらい。 不安や迷い、疑念などの混沌とした感情が溢れていたから。
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