彼の想いも世界からはみ出した

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結局、それからも眠れず。仕方なく、起きる事に…。約束はしたものの、何時に来るか解らない。 彼との今までの経過を考えるとこんなパターンが多い様な? 何か、情報が欠落した約束が多いというか。 今日も、午前中というアバウトな内容だ。 迎えに来てくれるから、待てばいいのだけれど。 9時くらい…とかの、目安は欲しいものだ。 居心地がよい空気は否めないが、その割にはペースに巻き込まれている。 大勢の中では、そんな立ち位置が楽に感じる。 一対一の付き合いでは、少し苦手。 あんまり、二人でいて振り回される行動は疲れてしまうのだけど…。 彼のマイペースな言動は、無意識に受け入れている自分がいた。 説明が難しいけれど。 自己中な我が儘な感じではないから。 基本的には、私の事を考えてくれての振舞いだと思える。 ただ、私にすれば。突発的に感じられる事に、戸惑いがあるのだろう。 彼の中では、流れにそった物なのかもしれない。 口数が少ないから、情報を読み取るのが難しい。 そう…言葉が、足りないというか。 昨日の出来事も。 キスに至る心境が、解るヒントがない。 確かに、ロケーション的には【あり】。 薄暗い場所で、二人きり。花火なんて、非常にロマンチックだし…気分的にも盛り上がる。 だから、必然的な出来事に近いかもしれない。 特に、お互いが意識している関係ならば。 チャンスというか…。 きっと、イベントを楽しみながらも、半分は相手の動向を気にしていたはず。 でも、彼は…。 私を意識している様には、全く見えなかった。 優しいし、気がきく人だとは思う。 女性である私への、気遣いを感じられた。 でも…。 【特別】な女性へのアプローチとは、思えなかった。
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