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ミキは、【それって、すでに彼女じゃない?】と言っていた。
その意見は、妥当なものだと私も思う。
ハッキリした告白をしないで、付き合いが始まる事だってある。
だから、暗黙の皮切りが。あのキスだったのでは?…と、ミキが言った。
非常に説得力がある。
理論的にも感情的にも、筋が通っている。
毎日の様に、会っていて。楽しい時間を過ごして。
これは、確認しなくてもお互いに…の、はず。
出会ったばかりの私達に、なんのしがらみもない。
他の人間関係から、気を使って合わせる必要はない。本当に個人的な、付き合いだから。
会いたくなければ、会わないで良い。
だからこそ、会いたいから会うのだ。
ここまでは、友達。
楽しい時間の共有。
たまたま、相手が異性なだけ。
でも…。
キスをしたら…。
成り行きでないのなら…。
それは、友達ではない。
だけど。
残念ながら、そうだとばかり言えないのが現実。
立場が逆ならば、私もミキと同じ事を答えると思う。
でも、当事者だと…。
解らなくなる。
だって、彼は優しいけど。特別な感情があるような、扱いはしていない気がするから。
私が、拘るのは。
最初にキスした後…。
彼はなんら変わりがなかった。
普通は意識するはず。
何事もなかった様な、態度をとる必要がない。
彼からした行動なのだから、それに見合う変化があるはず。
でも、なかった。
そんな彼が、よく解らない…。
それに。
キスをしてはいけなかったと、言っていた。
なのに…。
彼は、もう一度した。
私には、彼の心が見えなかった。
ミキは【照れ隠し】だと言ったが…。
そんな単純なものには、感じられなかった。
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