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……ジャリジャリ…。
車が庭先に入る音がする。彼が来た…と、思ったらドキンとした。
会いたいけど、会いたくないというか。
どんな顔とテンションで出迎えるべき?
例えば、晴れて彼氏・彼女の関係が成立したならば。それは、普通に照れながらも嬉しさ全開で良い。
でも…。
私の場合は、かなり微妙。
いい流れ…だとしても。
繊細な微かに揺れる天秤の様な、バランスで成り立っている。
だから、怒濤の緊張感が殆どを占めていた。
彼をより一層、意識している。
姿を見ただけで、多分…心臓がバクバクする。
暫く、動けずに固まっていると。
…ガラガラガラ。
なんの躊躇もなく、縁側の窓ガラスが開けられた。
『……何してるの?』
多分、私が出て来ると思って待っていたはず。
だが、姿を見せないから様子を見に来たといった処だろう。
どう対面しようかと、思い悩んでいたが。
突如として、その緊迫感を破られてしまった。
白いYシャツにGパン。
シンプルだけど、よく似合う。
年齢に見合う、清々しい出で立ち。
おかしな緊張感から、何故か彼を観察していた。
茶色の髪の毛に、綺麗な白い肌。
背が高くて、スラッとしている。
雰囲気が飄々としているから、見落とすが。
彼は、クールというより可愛い顔立ちだ。
二重でクリッとした瞳。
笑顔が多かったら、凄く愛くるしいキャラクターだろう。
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