プロローグ

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『で、元カレが現れたらどうするの?』 笑っているが、やや不安も混じった顔で彼が聞いてきた。 『そうだなぁ…。』 私は満面の笑みで、振り返った。 『なんだよ~。で?』 やや口を尖らせて抗議する彼は…私の旦那である。 ある休日の、平和な日常での想い出話。 『彼が1番!!…アナタは2番!!』 私は笑いながら、彼に言った。彼は不満そうに小さな声で…え~っと言っていた。 『これは、永遠にかわらないと思うんだ。…でもね』 『私はアナタと生きていくんだから。…彼が戻っても、今のままだよ!戻りたいなんて思わない。』 『なんで俺が1番じゃないんだぁ?わかんないなぁ』 私の返答が腑に落ちないようであった。 『そんな昔話は、いいから早く出掛けよう』 私は彼の手をとり、玄関に引っ張った。これから、2人でドライブに行く予定。たわいもない、会話。 笑顔の2人。 玄関を出ると、いつものように…自然に手をつないでいた。 幸せは、普通の穏やかな日々の積み重ね。退屈かもしれない、気が付きにくいものなんだね。
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