2 それってありえない?

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2 それってありえない?

 コンビニデートの後、その晩も由希乃は多島くんにメッセージを送った。 「あした、あしたの朝、まで、がまん……がまん…………ううう……」  すぐに返事が来ないと分かっていても、つい何度も見てしまう乙女心。 「はやく寝なさい! もー、そんな液晶ばっか見てると眠れなくなるのよ? あした学校で眠くなってもママ知らないからね!」 「はいはいわかりましたー」  ぶつぶつ言いながら由希乃は、居間から自分の部屋に引っ込んだ。  ――翌朝。 「あ、ああ! 来たー!」  目覚めてすぐ、由希乃がスマホを確認すると、メッセージ着信の表示が。 「え……。なにこれ……」  二日かかって届いた返事は、たった一行だけ。  期待が大きかったぶん、由希乃はひどくがっかりした。  学校に着くと、由希乃は早速友人に相談してみた。 「それさー、ありえなくない?」  開口一番、友人は多島くんのことをバッサリ。 「んー……でも、忙しいのは確かだし……」 「私ならムリだなー、その彼氏」 (そっか……普通はムリなのかな……)  夕方、いつもの場所で多島くんが由希乃を待っていると、彼女の様子がおかしいのに気付いた。 「や、由希乃ちゃん……?」 「……こんにちは」 「元気ないな」 「……べつに、大丈夫です。じゃ」  ぺこりと頭を下げて、由希乃はその場から立ち去ってしまった。 「あ、ちょっと……。一体何があったんだ……」  結局その夜は、退勤後の由希乃とは話が出来なかった。  多島くんの顔を見ると、彼女は一言おやすみなさい、とだけ告げて逃げるように去っていったからだ。 「俺、マジで何やらかしたんだ? もうどうしたら……」  コンビニ前で頭を抱える多島くんだった。
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