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「びょ、平等、な、こみゅに? けーしょん、じゃあ、ないし……というか……すり合い? というか……その……ルールを知らない多島さんの都合も考えずにその……えっと……」
「だいたい言いたいことは分かった」
「ほ、ほんと!?」
「皆まで言うな、愛しい人よ」
「い、いと、しいひ、ととかやめ、やめてえ」
由希乃は両手で顔を覆った。
「つまりだ。双方のニーズや状況や情報の共有が出来ていなかったが故の不幸な事件だった、ということで」
「はいぃ……」
「これで、仕切り直しをしないか?」
多島くんは、カウンターの中から一冊のノートを取り出した。
「今日から始めよう。俺と由希乃ちゃんで、『交換日記』をさ!」
「こ、こうかん……」
「ほら、こういう風にさ」
と言って、多島くんはノートを開いた。
そこには、カラフルなペンを使って書かれた由希乃へのメッセージや、かわいいシールが貼り込まれた過分に乙女チックなページだった。
「うわあ……かわいい……なにこれ……。手帳の使い方の本とかでは、こういうの見たことあるけど……多島さん、こういう趣味なんですか?」
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