1 多島くん、つながれない

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 帰宅後、由希乃は早速多島くんのアカウントをフォローし、メッセージを送った。 「うーん……まだ仕事だろうし、すぐには返事こないよね……」  スマホを見つめてじっと待つ。 「うーん……まだかな……」  さらにじっと見つめる。 「……ってまだ五分しか経ってないし!」  ――さらに一時間後。 「ううううう~~~~~~ん! まだこなーい!」  隣の部屋から、早く寝なさいと母親の声がする。 「仕方ない、あしたの朝みよっと……おやすみ、多島さん……」  そして翌朝。 「う~~~~ん、来てないじゃーん! どうなってるの?! もー!」 「なに騒いでるの! ケータイなんか見てないで、はやくご飯食べなさい!」 「はーい……」  ――さらに昼休み。 「……来てない。マジで見てくれてるのかな……もうやだ……」  ひとり教室でうなだれる由希乃だった。
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