プロローグ

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西暦3021年 雨の降りしきる中、東京某所、柊研究所の地下二階のある部屋では日々ある実験が行われていた。 「……成功だ」 その一室には何本もの管に繋がれた裸の寝たきりの男性が四名、女性が一名。 そして、研究員として男性が四名、女性が一名がいた。 男性の一人が呟くように言った。 手元にある画面にはどうやら、横たわっている五名の身体状況が示されていた。 ……ピッ! ピッ! ピッ! 横たわった男性の一人の心臓の画面が音をたてて動きだす。 「さあ、君を待っていた。柊所長」 柊所長と言われた横たわった男性の一人と今発言した男性は全く同じ顔をしていた。 ピッ! ピッ! ピッ! その声に共鳴するように、他の四名の心臓の鼓動も動き始めた。 柊所長と言われた横たわった男性の目があいた。 『成功したんだな、柊所長』 「そう、我々はついに偉業を成し遂げた」 柊所長と言われた横たわった男性は、全く同じ顔をした白衣を着た男性のことも柊所長と呼んだ。
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