巡り廻る恋心

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忘れる筈がない。 小さい頃がら、ずっと一緒だった大好きな人。 愛しい人の声。 香織の高鳴る鼓動は、加速していく──・・ 後ろから抱き締めてくる腕は、薄らと透けていて、それでも香織にとっては、よく知っている愛しい人の腕。 香織は悟った。 自分を抱き締める、この愛しい人は、やっぱり既にこの世の者ではないということ。 それでも、ずっと会いたかった。 今は、それでもいい。やっと会えたんだ。 香織は、ゆっくりと振り返って愛しい人の姿を確認する。 「─────佑真・・」
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