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『ねぇねぇ、会いたい人に会わせてくれるＳＮＳアプリがあるって知ってる？』
『それ、聞いたことある。本当なのかな？』
『そんな訳ないじゃん！そんな都合の良いアプリがあるなら、私だって憧れのアイドルに会いたいもんっ！』
『それ言えてるーっ！私も会いたい歌手が居るし。』
ここは、大学の保育学科。女子達の間を行き交う噂は、若い女の子達にとって恰好の話題みたいだ。
そして、その噂で盛り上がっている三人組の彼女達の傍らで、秘かに聞き耳をたてているのは、保育学科二年目を迎えた花沢 香織。
香織は人見知りが激しく、もう二年生だというのに、友達と呼べる人が少ない。
こういう噂を先立って話しているような、香織から見て、きらびやかな人種は特に苦手だった。
それでも、彼女達が噂している内容が気になってしょうがない様子。
普段だったら、絶対に話し掛ける事はない。
だけど、この時の香織は勇気を出して話し掛けていた。
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