第57話 ハッピーエンド

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 問い詰めると、京は真っ赤になって白状した。そんな京が可愛くて、俺は向かい合ったブラウンの髪をポンポンと撫でた。 「はは、悪りぃ。訊いてみたかったんだ」 「真一は?」 「ん? 俺も全部だ」 「ズルい!」 「ズルくない。ホントの事なんだから」  俺ははぐらかして、テレビをつける。 『昨夜行われたSeekerのプロデュースライヴでは、WANTED with rewardがデビューを果たし――』 「「あ」」  同時に声を漏らし、画面に見入っていると、俺が京にキスしているシーンも映し出された。 「うわっ。カメラ入ってたんだ!」 「Seekerにやられたな」  京が頬を染めて非難の声を上げた。 「君がキスしなければ良かっただけの事だよ!」  だがそんな可愛い怒りは、俺にはちっともききやしない。 「言っただろ。これからもするから慣れろって」 「真一……!」 『なおWANTED with rewardは、ロンドンを皮切りに世界ツアーが予定されており、チケットは――』  それを耳にして、俺たちは小競り合いも忘れて顔を見合わせた。 「「Seeker……」の奴……」 「どうやら、しばらく忙しくなりそうだな。その前に……京」  俺はベッドに座り、手招いた。京の反応は、少し赤くなった後、立ち上がって飛び付くように俺にダイヴしてきた。  夢中で口付けを交わす向こうのテレビ画面では、正史郎さん、マコ、健吾がインタビューを受けていた。  俺が、携帯も家電も全て切ってアランに溺れていたと知れるのは、この日の夜になってからだった。 「真一……愛してる」 「ああ、愛してる、京」  一体何をしていたのかと正史郎さんに厳しく問われ、京が真っ赤になって顔色で白状してしまうのは、明日の朝の事になる。 Happy Happy End.
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