第56話 溺れる愛

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「京……一回出しとくか」 「えっ……あっ……!」  揺れる京を手に取ると、俺は緩く握って勢いよく扱いた。京が悲鳴を上げる。 「ひあっ……!」  あっという間に、湯の中に白い花が咲く。俺はそれを洗面器で掬い取り、洗い場に流した。肩を上下させて、京は汗の珠を身体中に光らせている。 「真一……!」  沸き上がる欲望に身体を持て余し、京は涙の滲む声で俺の肩に縋り付いてきた。その額にキスを落とし、俺はボディーソープを手に取って京の背中から引き締まった腰へと掌を滑らす。 「ぁんっ……!」  俺の身体に覆い被さるように膝をついている京の、分身と後孔にも洗いながら愛撫を施す。  初めて試みた日には中指一本でもキツかったが、今は優に三本の指を京は受け入れて、それでも足りずに自ら腰を振っていた。  きゅっと目を瞑り、時々強請るように薄く目を開けて俺を見る京は、ひどく扇情的で俺を焦らせた。熱く膨れ上がって先走りを溢す俺はもう我慢がきかず、京の肩を甘噛みすると、その華奢な身体を軽々と抱き上げてバスルームからベッドへと直行する。  ベッドは二人分の水気を吸って湿ったが、そんな事には構っていられなかった。京の顔から首筋へと余す所なくキスを落としながら、吐精してもなお勃ちあがっている分身を握る。 「あんっ……! やっ……俺ばっかり……」  その可愛い苦情に、俺は片頬を上げた。 「京……痛かったら言えよ」 「ぅんっ……」  返事とも喘ぎとも取れる声音が返り、俺は京の蕾を探った。まだボディーソープのぬめりが残っていて、また容易く三本の指が飲み込まれる。中で指をバラバラと蠢かすと、京はもう自力で動く力もなく、ただハスキーに嬌声を上げた。 「イイか?」  普段なら羞恥を見せる質問にも、理性のとんだ京は、素直に陥落する。 「あ、イイっ……真一、もっとっ……」 「もっと、な」  俺は応えて、親指と人差し指で輪を作り、京の蕾をより拡げるように前立腺を掠めて輪を回す。 「ひぁっ、あ!」  その動きに、京は大きく声音を掠れ上げた。前から滴る愛液とボディーソープと腸液で、そこはぬちゃぬちゃと水音を立てている。 「やらしい音がするな、京……」 「んあっ、駄目、それ駄目っ……」
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