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 その夜、空から何かが落下してきた。  それが人間で、高校の時の同級生だった──なんてことが、実際に起こったから、社会人になって、多少、図太くなった自分でも、激しく驚いた。  ──ウソ、だろ…?  あらためて、天井を見上げる。  人間ひとり分の穴とはあれくらいのサイズなのか…などと、思ったりする。  アニメみたいに、向こうに星空が見えたりはしなかった。  ──天井ぶち抜いて、人間が落ちてきても…その人間ってわりと無傷なものなんだ…?  コンクリートの床の上で倒れている男を、もう一度、全身よく見る。  黒髪に、黒い革ジャン、黒いカーゴパンツと黒づくめの服装なので、怪我をして出血していても気づきにくいだろうが、こうして見ていてもそれらしい様子はない。  顔をやや苦しげに歪めていて、意識不明の重体…と言うよりは、気絶しているだけ、に見える。  目が覚めたら、ひどい打ち身だった、で、済みそうな…  だが、この男が気がついたら、「大丈夫ですか?」よりも、 「おまえ……志鷹(しだか)だよね? 志鷹凌(しだかりょう)」  と、真っ先に言いたかった。    まだ100%絶対とは言い切れなかったが、この顔、この体つき…     
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