回想……回送……改装

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 ◆合コン 「今度さぁ合コンがあるから、月ノ出の友達を何人か誘って参加してくれない?」  理由は分かっている。  ようはこういうことだ。 「男子校~ッ! いーなァーっ。オトコの園じゃーん! なんか男子校って清楚だよねェ~。女子ウケするから何人か連れて来てよーっ。  あっ、もちろん芸能科の子だよ」  は? 芸能科? (なんだそれ)  馬鹿馬鹿しい……。  男子校の実態を知ってるなら、口が裂けたってもう二度とそんなこと口走らないはずだ。  大人の身体へと成長する過程で、男の子には月に一回の”モノ”がやってくる。  いわゆる”精通”だ。  危うく計算ミスをしてしまうと、一ヶ月に一回──油断して授業中に居眠りでもしようものなら、夢精してしまうのだ。(女子には分からない、男の子の悩み)  そんな時、 「おれもうソロソロ”来そうな感じ”するんだァー」から、 「ヤッベ……今日はじまったよォ。持ってきてないわ……忘れてた」  ”誰か持ってる人ーっ!?”  白くて四角いモノが教室を飛び交う。 「投げるよーっ?」  国家ぐるみで隠蔽されている男子だけの秘密のアイテム。  女子には”その知識”はないが、男子だけの必需品。  夢精用ナプキンなる物が、世の中には存在する。  これで多い日も安心だ。  そんな実態……女子が知る由もない。  男子校ってだけで「清楚」だとか「お坊っサマ学校」だとか世間では認識されているらしい……。 (恐ろしい……)  おれたちはただ、女に飢えた汗臭い野獣でしかないのに──。
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