第一章『謎の転校生』

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ーー7月27日 朝10時、僕の家から最寄り駅はおよそ10分でつく、それでも余裕をもって集合時間の10時よりちょっと前には駅についていた。 他のみんなは、まだ来ていない。まったく集合時間のちょっと前に来るのは当たり前だろ? と心の中で愚痴を漏らしていた。おしっこは漏らさない。 でもそんな事は関係ない、なぜなら僕達は結局世界という牢屋から脱出できない囚人みたいなものだから そんな事を10分程考えてたら、一番最初の遅刻者が来た。 「ごめーん!! 私最後だった?」 「お! 遅いぞ、でもまだ皆来てないんだよね?」 千尋(ちひろ)だった。千尋は昨日とは打って変わって化粧にお洒落もしていた。 綺麗にカールした睫毛にショートカットの髪型、今時の女の子らしい服装。 サバサバしてるけど やっぱり女の子なんだなあと不思議な気持ちになっていた。 「……」 気まずい、はやくみんな来ないものか。実際、千尋とはクラスメイトであるけれど 話をまともにした事は無かった。 「ねえ」「あのさあ」ふたりは同時に声をかけた。
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