第二章『受験戦争前の戦争』

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理科室では授業が終了に近づいていく 千尋は実験の結果をノートに記録していた。 「……よし」 私は廊下に2人きりになっている奇下君と大星さんが心配だった。 というのも奇下は誰にでも話しかけられるような人懐っこい性格だからだ。 「千尋!ここ字が抜けているよ?」 「あっ!本当だ」 ボーッとしていたら隣の彼女から指摘を受けてしまった。 彼女は最近頻繁に登場する新キャラクターの1人、蝶羽陸子(ちょうは りくこ) ただの毒舌野郎だ。見た目は太っているデブ女だが痩せると可愛いと上岡のお墨付きだ。 でも目も細いし性格も悪いし目も細いし多分、痩せた所でアレである。 「本当に千尋って間抜けだよねー!ひっひっひっひっ!」 蝶羽は不気味に笑ってみせた。 「……あはは」私も苦く笑う 「それでは実験も終わったから片付けをはじめよう」 2人を尻目に同じ班の手忠君が仕切る、実験では真面目な彼がいつもリーダーだ。
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