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六郎くんと奇下くんが話している最中、私は異様に落ち着きをなくしていた。何分、六郎くんは声が大きいので会話の大半は丸聞こえだ。たしかに私も廊下で二人の間になにがあったのかものすごーく気になっていたのだ。そんな落ち着かない姿を沖野に見られてしまった。
「……千尋ちゃん、どうかしました?」
沖野が何かあったのかと心配そうに見つめてくる。
「えぇっと、なんでもないよ!大丈夫」
私は不自然に何もないように振る舞った。
「奇下くんと大星さんが二人でいたことが気になるの……?」
図星だ。私ってそんなに周りから見ても分かりやすい人間だったのかな?
「そそそそそそそ、そんなことないって!」
またごまかそうとしてしまった。おかげで声が裏返って余計に怪しまれる要素が生まれてしまった。
「千尋ちゃん、ごまかすの下手ですね。でも大丈夫ですよ。さっき彼女に聞いたらアドレスを交換してただけみたいですから」
「え?沖野ちゃんそんなに大星さんと仲良かったの?」
私は純粋にそっちの方に驚いてしまった。
「まぁ席も近いので結構話したりはする方ですね」
「そうなんだ」
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