第二章『受験戦争前の戦争』

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『件名:ダルダルダルメシアン 本文:今日放課後なんで機嫌悪かったの?』 物の数十秒でこの文を打ち終わる。ちなみに小説的な表現をしたのでこの文面は質素だが、実際はデコメを多用してかなり気持ちの悪い感じに仕上がっている。 10分ほど経って携帯が鳴る。もちろん千尋からの返信だった。 『件名:Re:  本文:別に悪くなんかないですけど~』 絵文字もない。もちろんデコメもついていない。いつもはもう少し飾りっ気のあるメールを寄越すのに。これは明らかに怒っているだろう。 『件名:Re:Re:  本文:怒ってんじゃん!     なに?俺なんかした?』 また返信する。もうデコメの説明もいらないだろう。 ぴりりりり 今度は3分くらいで返ってくる。 『件名:Re:Re:Re:  本文:今日大星さんとアドレス交換したの?』 なんなんだ。何故知っているんだ。僕は何だか怖くなってきた。やはりそのことで機嫌が悪かったのか?すぐにでも解決したかったので千尋に電話を掛けた。
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