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「ぷるるるるるーーもしもし?」
彼女はワンコールで出た。早すぎる。
「あ、もしもし。なんで知ってるの?」
早すぎて動揺した僕は主語のない質問を千尋にぶつけてしまった。
「……沖野ちゃんから聞いたの」
「そうなんだ。いやあれはね」
ここで事細かに今日の実験中の出来事を千尋に説明する。僕は説明下手なのでこのことを話すのに1時間くらいかかったけれど、段々千尋の声も明るくなっていったので安心した。
「なんだそうだったんだ。ふふふ、なんか安心した。奇下くんは汚らしい変態仮面貴族じゃなかったんだね。なんかごめんね。ありがとう。じゃぁまた明日ね」
そういうと彼女との電話は終了した。何故このことを話して彼女は安心したのかよく分からないが、丸く収まったので良しとした。僕たちは付き合っているわけでもないのになぁ。
また布団の上で頭を悩ませていると、僕は眠っていたようだ。気付いたら朝になっていた。
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