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入ってきた生徒は蝶羽だった。
「……あ駄目だ、俺アイツに嫌われてるもん」
「奇下君?」
千尋の声だった、僕が見ていた教室のドアと反対のドアから千尋が入ってきていた。
「ああ! おお! 来てたの?」
「うん! まだ皆来てないんだね?」
「そうだ! 俺今朝さ! トイレ詰まらせたぜ!」
「え? あ……そうなの?」
「ん? 食いつけよ? 最高に女性の好きな話題だろ?」
「いや! どう考えても男子でしょ!」
「えー? そうかな?」
刹那ーー
恋する乙女はとっても深読みした。もしかして奇下君は私を試しているのではないかと!
こんな下らない内容でも食いつく女性が好みなんだ! 奇下君は! ……と
「まって! やっぱその話詳しく聞かせてよ!!」
「え?」
「詰まったって! どのくらいでかかったの? 怪物級?」
「うわ、なんか気持ち悪いぞ! そこまで興味持たれると」
「え? なに? 違う?」
「ハハ、千尋ってうんこ好きなんだね」
「ちょっとどういう事!!??」
千尋は少しムキになる。そしてプロテインを服用し地獄の筋トレをはじめた作者はムキムキになる。
「そこまで興味持つなんて!!」
「もうー、おちょくるなあ!!」可愛い子ぶる千尋。
千尋はこの奇下とのやりとりで仲の良い男女がやがて恋人になるみたいな展開を想像しゾクゾクとした。そして勝手にライバル視している大星にどうだ!?という思いをのせた眼差しを送る。
大星は携帯電話とにらめっこをしていてこちらのやりとりには興味を示さない。
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