第二章『受験戦争前の戦争』

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「お前のお友達はこう言ってるぞ?」 「……みんなごめん巻き込んでしまって」 大星(おおほし)は悲しみがにじみ出るような顔で言った。 その様子を見て彼は状況など関係なく、またも大笑いをする。 「くだらねえ!! 気持ちの悪い奴らだ!!ひゃはははは!! まあいいだろう。死ぬより辛いお遊びで全てぐちゃぐちゃにして白状させてやるよ!!」 「……みんな」 大星は心配そうにクラスメイトを見る。 「いいのか?死んで楽になりたいやつは今のうちだぞ?」 彼はまるでゲームをしているかのように楽しんでいる。 「戦うよ!どうせ死ぬなら」 「ああ!ゲームでいいなら大歓迎だ!!」 「ps4かな?3ds??」 僕達のクラスは覚悟を決めた。 みんなの勢いに勢いが重なりクラスメイト達はフィーバーしている。 「おうおう!どうした!!ひゃはははは!!くそ面白ええじゃねーの」 彼にとってサイコなどどうでも良いのかもしれない。 そう思わせる程にただ単にこの状況をゲームのように楽しんでいる様だった。 大星は一度深く目を閉じ、深呼吸をしていた。 開いた時には先ほどの弱さは無く、いつものような不思議な魅力の目をしていた。 そして人差し指を、あざ笑う彼を、突き刺す様に真っ直ぐ指して強く言う。 「私達の答えは決まりだ!!!お前達と戦う!!!」                        第二章「受験戦争前の戦争」おわり
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