第三章『くたびれた青春』

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ーー8月29日 奇下(きげ)は、昨日の焼き肉のおかげで元気いっぱいだった。そして、暇だから、少し外を散歩していた。 受験が近いのに勉強はいいの? と思った人に言わせてもらうと主人公が勉強している様を見て誰が得するんだい? と問いたいのであった。 「うーん! 外は気持ちいいなあ! 僕には何も趣味が無いから最高だ!」 見慣れた道も風景も、吹く風と僕の心で何度でも塗り替えられる楽しい絵画……というのは言い過ぎかな? 普通に飽きる程いつも通りだ。 「たまには1人もいいものだ。1人はある意味で一番人に囲まれている時間だから! なんてね」 マスターの言葉を思い出し僕は少し含み笑いをした。ちょっと、うきうきしている僕は主人公失格の気持ち悪さだ。 やがて公園のベンチに座ってみる、平日なので誰もいない。 いるとしたらクラスメイトか不良野郎のどっちかだ。 「はあーなんかいいなあ何もなくて、あと道路とかにあるガムの跡ってなんであんなに多いんだろう」
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