第三章『くたびれた青春』

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ゆずこ達女子グループは奇下(きげ)達の横のテーブル席に座って飲み物を注文しようとする。 「なんで横なんだ? ……チッ!!」 上岡(かみおか)の舌打ちが僕にはわかった。 「え? 飲み物2万円!! なんで? 食べ物は50円なのに!!」 ゆずこの、この反応はいたって普通である。奇下達は慣れたから忘れかけていたがここはぼったくり。 同級生の親がぼったくり野郎だったら何か寂しくなるよね。 「あー!! いいのいいの!! 飲み物はタダでいいから!! ね!」 千尋(ちひろ)は同級生に恥ずかしい所を見られてしまい照れながらマスターを見る。 「フフフ結構だね! 飲み物でなんとか黒字なのに……友達ならばしょうがない、トホホ」 ずこっ! ゆずこだけずっこけた。皆はそれを見ている。 「あ、ゆずこちゃん今のはずっこけるところじゃないよ」 千尋が、ゆずこに優しく丁寧に教えてあげる。 「え? そうなんだ! 私まだ慣れてなくて……」 ゆずこは恥ずかしそうに頭を掻く。 「最初はみんなそんなものだよ! 頑張ろう学級長!」
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