第三章『くたびれた青春』

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8月31日 集合場所である近所のグラウンドに向かう。 朝早いので気分はまだあまり乗らない。 「野球なんて久しぶりだな、というか人が集まるのか?受験が近いのに」 グラウンドに少し早く着いた。3ーCの男子生徒が何人かいる。 「おはよう!! 六郎(ろくろう)!!」 「おう逃げずに良く来たな? 恐れを成して来ないかと思ったぞ」 「まさか! 血液検査からしか逃げないぜ? 俺は……ところで相手は?」 「相手は坂口(さかぐち)からはじまり手忠(しゅちゅう)宇土(うと)平田(ひらた)福田(ふくだ)寺沢(てらさわ)船酒(ふねしゅ)」 「うんうん、新キャラクターはいないよね?」 「いやここからが新キャラクターだ」 「じゃあ特徴と一緒に紹介してよ」 「よし!まず子楽一多(こらく いった)、何を考えているかわからない適当なやつだ!」 「子楽か!」 「そして隻語海苔(せきご のり)を含めた9人が坂口チームだ!」 「隻語は嘘つきの隻語だよね? わかった! でこっちチームは?」 「…………」 「ん? どうした?」 「まだお前しか来てない」 「え? 2人?」 「おーーい!! どうした六郎(ろくろう)? 2人で戦えるのか?」 坂口はおちょくるように言う 「2人ってどういう事だよ!?」 「いや大丈夫! すぐ来るって! 一応声はかけてあるから」 ーーー30分後 「来ないじゃん!!」 「おかしいな?」 坂口達のチームはを座って談笑している。 「もういいじゃん! 日にち変えてもらおうよ?」 「それをしたら負けた気がする」 「いやこの状況、明らかに負けてるだろ!? なんか友達少ないみたいじゃん」 「でもあっちはあんなに人数集めたのに試合出来なくて、なぜか俺たちが勝っている様にも見える!」 「そんな悲しい勝ち方したくないだろ!?」
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