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カキーーン!!!
盛大な音がグラウンドに鳴り響く!!
「うおおおおおお! 坂口やるじゃねぇか!」
このセリフ六郎っぽいでしょ? でも違う。これは理科室のくだりで出てきた福田潤太のセリフだ。普段あまりしゃべらず、小説への登場シーンの無い彼が大声を挙げたものだからみんなびっくりした顔をしている。
「お前、それは言い方的にも六郎くんのセリフなんじゃないの?」
真面目な手忠はこんな空気でも正論しかいわない。なんとつまらない男か。
「あぁ、ごめん。ちょっと興奮しすぎて」
福田も手忠に言われたら大人しくなるしかないと悟ったのだろう。ベンチに座り直した。
野球に話を戻すと現在5回裏、団地高校の攻撃。スコアは2対3で団地高校がリードしている。ルールとして皆プロ野球に憧れているので普通に9回までやることになった。
今さっきの快音は主砲の四番、坂口の打った音でツーベースヒット。続くは五番の六郎である。
「六郎って名前なんだから六番にすべきじゃないの?」
平田がこの場で意味の分からない発言をしたのでチームの心は一つになり皆でシカトした。
「おっしゃー六郎!! 続けよ!!」
「任せとけって! なんか最近、奇下よりも目立ってきてるし、ここで活躍して主人公の座をいただくことにするぜ!!」
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