第一章『謎の転校生』

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ーー7月26日 夏休みが近いので僕達は舞い上がっていた。 「なあ! 夏休みは何をするよ? やっぱテーマほしいよね!!」 彼は僕の友達の隠身六郎(いんみ ろくろう)、馬鹿でおしゃべりで馬鹿で人で犬じゃない。 相変わらず学校指定の制服を、崩して着ている、髪の毛は短くツンツンで真面目な僕と一緒にいるのが不自然な容姿だ。 「テーマ? 俺は勉強だな」 彼も僕の友達の上岡ちづる(かみおかちづる)、勉強が好きな、なかなか珍しい生徒だ。 しっかりと制服を着ていて、髪型もぴちっとキメている、眼鏡の下から覗く目はいつも鋭い。 長身である為か、妙に大人びている。 「勉強ばっかだと頭がおかしくなるぜ」 すこし、ちゃらけているこの生徒はU-22、ロボットである。 しかも不良だし制服も着ていない裸だし、ロボットの割に馬鹿だし、クラスメイトである意味がわからない、謎の生徒である。 だいたい、いつも問い詰めると生理痛だからと話を中断させてくる。 この3人と僕を含めた4人が毎日の通学フレンドで、高校3年生になっても相変わらず仲良しだった。 六郎「奇下は、相変わらずか??」 奇下洋一(きげよういち)、これが僕の名前。 奇下「まあね、相変わらずだよ」 上岡「ふむ……言いそびれたが、あと少しで一時間目がはじまるぞ」 U-22「何だって!? 今日テストだろ?やべーよ! おれ不良だけどテストはやるぞ!!」 そういってU-22は飛行機に変身して飛んでいってしまった。 六郎「じゃあ俺たちもいそぐか!!」 そういって残された三人は学校に向かい走り出した。
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