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六郎が1人ずつ顔をみて思い出しながらメニューを読み返していく
「ポテトフライ2個とハンバーグ定食と海老フライとクラブサンドだよ」
タバコの煙を吐き、自前の灰皿にタバコを2度叩く
「ハンバーグ定食と海老フライ3個だね」
お店は静まり返る。
「クラブサンドとポテトを忘れているぞ、あと海老フライは1つだ」
上岡は活字から目をそらさずそっと訂正させた。
「はははは、歳をとるといけねえな、メニューすら全然覚えられない」
マスターは笑いながらタバコの火を揺らした
「えーっとハンバーグとアワビとガムだね?おっとサンドイッチを忘れてた。」
「ん? ハンバーグ定食と海老フライにポテトフライが2つね、それとクラブサンドだよ」
奇下はわかりやすいようにゆっくりとそれぞれの注文を読み返した。
マスターはタバコを灰皿におしつけて、涙を流すワイングラスを優しく拭った。
「クラブサンド2個と海老フライと卵かけご飯定食ね……それとポテトフライ。フフ子供みたいだ」
マスターは格好つけているけれどメニューは相変わらず全然ちがかった。
「……」奇下と上岡と六郎はあきらめた。
「な? 買いにいくのが一番だろ? な?」U-22は少し大きい声でまくしたてた。
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