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数分して夏休みの話題で談笑している4人のテーブルに料理が静かにおかれた。
アジのフライ定食3皿、スパゲティ、ポテトフライ2皿、サンドイッチ盛り合わせ2皿。
当たり前のようにマスターは置いて行く。タバコの煙にダンディーという言葉がぴったりのマスターは当たり前のようにカウンターにもどり、ぬれたワイングラスを過去の女性との思い出と共に拭っているようだった。
「いただきまーーす!!」上岡をのぞいた三人が元気に言う。
「さてと……」U-22は鞄からペットボトルのジュースを出してテーブルに置いた。
その瞬間
「おいっ! 飲み物の持ち込みは禁止だと言ったはずだ!! 注文しろ!!」
マスターがありえない位怒った。
今までのクールが嘘みたいに本気で怒鳴ってきた。
「てめえ! これで何度目だ! おい!!! わかってんのか!!」
「……ごめんなさい」
ロボットは悲しい顔で謝った。
「ちょっとどうしたの? おじいちゃん??」
ドタドタと喫茶店の奥から1人の女性が出てきた。
「アンタ達また来たの? おじいちゃんに何したのよ!!」
彼女は僕達と同じクラスメイト3ーCの熊ノ手千尋(くまのてちひろ)である。
マスターの養子で幼い頃に両親を亡くしたと風の噂で聞いた事がある。
「いやあ何もしてないよ! 本当に!!」六郎は焦って言い返す。
「本当だよ! 全然ペットボトルでクマの野郎をぶん殴ろうとなんてしてないから!」
ロボットがやってもいないことを言って傷口を広げまくる。
「あんたたちそんな野蛮なことしたの!? 本当に最低!!」
それを鵜呑みにした千尋がどんどんヒートアップしていく。
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