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「おいロボットてめぇ余計なこと言ってんじゃねぇよ! しかもあからさまに嘘じゃねぇか! 謝れ! ちゃんと謝って許してもらうんだよ!」
六郎がロボットに謝罪を促す。
「ニンゲンとは無意味な争いを繰り返して生きていく無情な生き物なのですね……」
急に他人事になっていくロボット。
とっさに奇下が割って入る。
「あの、マスター! このたびはこちら側の不手際でお店に多大なご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。次からはこのようなことがないように僕たちも務めるので今回はどうか許していただけないでしょうか……」
さすが主人公。大人な謝罪の対応ができる男だ。いつ社会に出ても大丈夫な気さえしてくる。子供にとっていい見本であり続ける。小説の主人公の鏡のような若者である。小説の世界でしか活躍できないことを実に悲しく思う。このような若者が世間でも多く出てきてくれることを作者も切に願っている。
しかし100%悪いはずのロボットがあきれ顔で口を開く。
「自分が悪くないのに謝るのは日本人の悪い癖だよ。まったく」
「ロボットはもうしゃべらなくてもいいぞ。お前が話さなくても話は普通に進んでいくからね」
奇下はロボットのことが嫌いなのだろうか。
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