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━━場面が切り替わる。
メアリーの姿が見える。しかし、先ほどまでいた場所ではなく、どこかの修道院のようだ。
灰色の背景から、楠んだ茶色の背景。そして……幼いコーデリア、アミール、クレアがいた。
異様な光景だった。
両目を包帯で雑に巻かれたアミールとクレア。ベッドに横になったままのコーデリア。先ほどみた彼女たちからは想像がつかない。
過去、なんだろうか。だとしたら、メアリーの説明がつかない。みんなの妹のように見えたメアリー。しかし今は、みんなよりお姉さんに見える。……そう、おなじ姿なのだ。
彼女の瞳が、何かを決意したように煌めく。
「コーちゃん、アーちゃん、クーちゃん……。メーちゃんが絶対に元気にしてあげるからね。どんなことをしても。何かあったら、兄ちゃんが守ってくれるから大丈夫だよ」
メアリーは駆け出した。
「……! あの子を止めて! あのお金がないわ! 」
院長だろうか。グレーのシスター服の老婆が嗄(しわが)れた声で叫ぶ。
「……す、すみません、院長、あの子は……"すべて知っています"! 」
院長と呼ばれた老シスターが、顔面蒼白になる。
「なんですって?! まさか、"買い戻す"なんてバカな真似……」
「……いえ、怖れながら申し上げます。あの子は……"天才"です。買い戻しよりも確実に取り戻す……」
「どうすると言うのです?! シスターガーネット! 」
メアリーを天才と言った、シスターガーネットと呼ばれた初老のシスターは、確信を持って答える。
「きっと大きな博打をしに……」
「博打?! あの子は博打をするのですか?! 」
「はい……。よく出掛けるので、後をつけてみたんです。……あの子は他の子どもたちのためにこっそりと町の手伝いをしていました。それだけならば何ら問題はないでしょう。しかし、それだけでは足りないと彼女も分かっていたようです」
怪訝そうにしながらも、シスターガーネットの話を聞く。
「修繕費や裏金調達のために私たちが裏で行っているのと同時期に、更にメアリーは別の場所に通い始めていました。……賭博場です」
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